在宅勤務への転職で現職を退職するタイミングは、転職先の採用条件を書面などで確認し、入社日が確定してからが基本です。先に退職すると、在宅勤務の条件が想定と違った場合や、入社が取り消し・延期になった場合に収入が途切れるおそれがあります。
退職を申し出る時期は、入社日の1〜2か月前が目安です。ただし、就業規則、雇用契約、引き継ぎの量、有給休暇の残日数によって適切な時期は変わります。
在宅転職で現職を退職する基本のタイミング
転職先の入社条件を確認して入社日を決め、その日から逆算して現職へ退職を伝えます。「選考中」「口頭で採用を伝えられただけ」の段階では、原則として退職を決めないほうが安全です。
転職先について、少なくとも次の内容を確認してください。
- 雇用契約を結ぶ会社名と雇用形態
- 入社日
- 給与、試用期間、勤務時間
- 在宅勤務の対象範囲と出社の頻度
- 在宅勤務が入社直後から可能か
- 勤務地や出社が必要な場合の場所
- 業務用パソコン、通信費、通勤費などの取り扱い
「原則在宅」「リモート可」と書かれていても、完全在宅勤務とは限りません。研修期間だけ出社が必要な場合や、月数回の出社が条件になっている場合もあるため、求人票だけでなく雇用条件通知書や採用担当者への確認内容も残しておきましょう。
退職を伝えるのは入社日の何か月前がよいか
一般的には、入社日の1〜2か月前に退職を申し出ると、引き継ぎや有給休暇の取得を調整しやすくなります。
| 時期 | 行うこと | 確認する内容 |
|---|---|---|
| 転職先の条件確定後 | 入社日を決める | 在宅勤務の開始時期、出社日、給与、試用期間 |
| 入社日の1〜2か月前 | 直属の上司へ退職意思を伝える | 就業規則、退職手続き、引き継ぎの範囲 |
| 退職日の2〜4週間前 | 引き継ぎと有給休暇の調整を進める | 業務一覧、資料、取引先への連絡方法 |
| 退職日まで | 貸与品や書類を返却する | パソコン、スマートフォン、社員証、機密資料 |
就業規則に「退職の1か月前までに申し出る」などの定めがある場合は、まずその内容を確認します。法律上の扱いは雇用期間や契約形態によって異なるため、契約社員や期間の定めがある働き方では、契約書の内容を確認してから判断してください。
在宅勤務の転職では「内定が出たらすぐ退職」してよいか
内定が出ても、在宅勤務の条件や入社日が確定していなければ、すぐに退職を申し出るのは避けるのが無難です。
特に、次のような状態では確認を先に行います。
- 採用担当者から口頭で採用を伝えられただけ
- 労働条件通知書や雇用契約書を受け取っていない
- 「基本リモート」など、出社頻度が具体的でない
- 研修中や試用期間中の勤務場所が分からない
- 入社日が「相談のうえ決定」となっている
確認したい内容は、メールなど記録に残る方法で質問すると、後から条件を見直しやすくなります。「在宅勤務は入社初日から可能ですか」「月に何回程度の出社が必要ですか」「出社先はどこですか」のように具体的に聞きましょう。
入社日から逆算して退職日を決める方法
退職日は、転職先の入社日だけでなく、引き継ぎと有給休暇を含めて決めます。次の順番で計画すると、退職直前に予定が詰まりにくくなります。
- 転職先に、希望する入社日と在宅勤務の開始条件を確認する。
- 現職の就業規則と雇用契約書で、退職の申し出に必要な期限を確認する。
- 担当業務を一覧にし、引き継ぎに必要な期間を見積もる。
- 残っている有給休暇を確認し、取得日数を退職日までの予定に入れる。
- 直属の上司に退職希望日を伝え、退職届や社内手続きの提出時期を確認する。
- 転職先の入社日と現職の退職日が重ならないように確定する。
たとえば、4月1日に転職先へ入社し、現職で3週間の引き継ぎと10日間の有給休暇を取りたい場合、3月上旬までに退職を申し出る計画が考えられます。これは計算例であり、実際には就業規則や業務量に合わせて調整してください。
退職日と入社日の間を空けるべきか
退職日と入社日の間は、必ず空けなければならないわけではありません。空白期間を作らずに翌営業日から入社する方法もありますが、手続きや体調を整える期間が必要なら、数日から数週間空ける選択肢もあります。
期間を空ける場合は、健康保険、年金、住民税などの手続きと、その期間の生活費を確認してください。転職先の入社日が後ろ倒しになった場合に備え、退職日を先に決めすぎないことも重要です。
現職に退職を伝えるときの注意点
退職理由は、「在宅勤務の転職先が決まった」など、必要な範囲で簡潔に伝えれば足ります。現職への不満を詳しく説明したり、転職先の会社名や待遇をすべて伝えたりする必要はありません。
退職を伝えるときは、退職希望日と引き継ぎ案を同時に示すと、話し合いが進みやすくなります。
- 退職希望日
- 入社日が決まっていること
- 担当業務の一覧
- 引き継ぎ相手への説明予定
- 有給休暇を取得したい日程
退職を引き止められても、転職先の入社日を無断で変更する約束はしないでください。変更が必要になった場合は、まず転職先に相談し、現職との調整が可能かを確認します。
退職を急いだほうがよいケース、待ったほうがよいケース
退職の準備を早めに始めるケース
管理職や専門職などで引き継ぎに時間がかかる場合、担当顧客が多い場合、長期休暇や繁忙期をまたぐ場合は、内定後すぐに退職準備を始めます。ただし、準備を始めることと、正式に退職を申し出ることは分けて考えてください。
退職を待ったほうがよいケース
在宅勤務の頻度、勤務地、給与、入社日などに未確定の条件がある場合や、書面で労働条件を確認できていない場合は、退職の申し出を待ちます。条件を確認しないまま退職すると、希望していた「在宅勤務」と実際の働き方が異なる可能性があります。
在宅転職で現職を退職するタイミングの判断基準
判断に迷ったら、次の3点がそろっているかを確認してください。
- 転職先の採用と労働条件が書面などで確認できている
- 在宅勤務の頻度、出社場所、開始時期が分かっている
- 入社日から逆算した退職日と引き継ぎ計画がある
この3点がそろったら、現職の就業規則を確認し、直属の上司へ退職を伝えます。基本は入社日の1〜2か月前ですが、引き継ぎ量や有給休暇の日数が多い場合は、さらに早めの相談が必要です。







